仏教豆知識
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生老病死

 これまで、多くの日本人は死を「忌み嫌うべきもの」として遠ざけてきました。
しかし、以前なら子育てが終わる頃には人生も終末に近づいていましたが、現在は高齢化が急速に進行し、否応なしに自らの老いや死を考えざるを得なくなりました。
生まれなければ死ぬことはありませんし、生まれた生命はいつかは必ず死にます。
人は必ず死ぬという現実から目をそらしている限り、生を大切にすることはできないのではないでしょうか。

 仏教の教えを説いたお釈迦さまが出家を決意した理由は、自分の力ではどうにもできない「生老病死(しょうろうびょうし)」という生の根源的な問題の解決をめざしたからだといわれています。
お釈迦さまは、生まれた生命は必ず死ぬという現実を直視し、死を鏡として私たちの生き方を示しています。
ですから、肉親や知人の死を通じて自分の生き方を考えるために、葬儀や法事などの行事が仏教の教えと結びついて行われているのです。

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