敬老観世音菩薩縁起(建立者の言葉)
 
 この観音様は、奈良法隆寺夢殿の御本尊、救世観音菩薩(災禍を防ぐ徳を持つと云われている、手に宝珠を持った美しく気高いお姿)をもとに制作され、この所、熱海念仏山(延命山)に建立され、その名を「敬老観世音菩薩」と申します。
  法華経の観世音菩薩普門品第二十五によりますと、無尽意菩薩が、観音様とはどんなお方ですか、と御釈迦様にお聞きして、お答えなされたのが「観音経」であります。
この観音経の中でお釈迦様は「観音とは、世の中の音を観、人々の声を聞かれ、普く広い門を開いて、自在に、吾が身を三十三身にも変化され、よく世間の苦を救い給う菩薩である。」と申されております。即ち、観音様は、大慈大悲、衆生救度、観自在の有り難い仏なのであります。
又、観音様は、六観音あるいは七観音として具現されておりますが、宝珠を胸に捧げ抱かれたお姿を、救世観音菩薩と申し上げ、聖徳太子が救国救世の祈願を込めて、日夜礼拝されました御尊像であります。願わくば、虚心、この敬老観音足に合掌し、敬老の心を培い、又、お年よりは安心立命の祈りを捧げ奉らんことを。
                   合 掌