仏教塾
仏像塾へ 豆知識へ
一つ前へ次へ
『自分の力で考えよ』と言い残して【涅槃】

 いくらお釈迦様とはいえ、ある時病におかされてしまいます。
弟子のアーナンダに対する説法で、『他人ではなく自らをより所とし、ほかのものではなく仏法をより所として精進しなさい』と説きました。
この『自明灯明』(じとうみょう・ほうとうみょう)の教えは、指導者のカリスマ性や権威に頼るのではなく、自分の力で考え、法仏だけに従えという戒めです。
死期を三ヶ月と予言したお釈迦様はクシナガラに至り、二本のサーラ樹(沙羅双樹)の下で頭を北にして、右脇を下にして横になりました。
すると、沙羅双樹が花開き、降り注いだといいます

 紀元前三八三年、初夏の満月の日、お釈迦様は瞑想に入ったまま静かに息をひきとりました。
最後の言葉は『すべては移ろいゆく。怠らず精進しなさい』だったとされています

 七日間の供養の後、遺体を荼毘(だび)に付そうとしましたが、薪に火がつかず、教団の後継者マハーカーシャッパが遠方から到着して礼拝を終えると、薪がひとりでに燃え上がったとされています。

一つ前へ次へ