秋の大祭の法要
『1』からはじまる健康の秘訣とは?--------------------------------

今日は、猛暑が収まるような雨でございまして、大分皆さんも声を出すのが楽だったのではないかと思います。
今日私が行った法要は本来密教の法要でして、これは1人で全部をお唱えするという事はまずありません。
沢山のお坊さんがまわりでお唱えしている中で、壇に上がった導師が密教の治法をするという事になっております。
今日は私一人なので治法の方はこちらにおいて、お経を中心にさせて頂きました。

今日のものは特に光明供(こうみょうく)という、密教で一番大事な基本的な法要になります。そしてこの法要は、地上の全ての物が幸せになれるようにという願いを込めたお経でございます。
このお経は節があるメロディーのお経になりますが、これは声明(しょうみょう)と呼ばれる日本の仏教音楽です。
今月の25日にこの声明の講演が行われるので、私もこれを聞きに行くのですが、実は昔は私も出ておりました。しかし、段々と年齢と共に高い声が出にくくなってくるものですから、今は辞退をさせて頂いております。
今日のお経にもありましたが、随分高い声が聞こえたかなと思います。
これは低い、高いの音程の差が激しいものですから、なかなか私1人では出し切れないのが正直なところでして、今日は非常に無理をして出したところ、声がかれてしまいました。

お彼岸中にあるお宅にお邪魔させて頂いた際に、そのお宅に94歳のおじいさんがおられました。この方がとてもお元気で、いまだもって世界経済のお話をしてくれたのですが、これには恐れ入りました。
しかもこの方は94歳で車の運転もしているらしく、是非長生きの秘訣を教えて下さいとお願いしましたところ、非常に参考になる事を教えて頂きましたので皆さんにご披露させて頂きたいと思います。

『人間、1という数字が大事なんです。最初は1、次は10、次は100、1000、10000と、この1を大事にするようにしてみて下さい。 まず最初の1は1日に1回なんでもいいから感動すること。次の10は、1日10回笑う事。出来れば腹から笑うとよりいいと思います。次の100は、1日に100回深呼吸をすること。1度につき10回を10回に分けて行うでもいいですから、とにかく1日に100回深呼吸をすること。1000は1日に1000字文字を書くこと。最後の10000は、10000歩を歩くことです。』

と教えて頂きました。
最初の1日に1回の感動と申しましても、我々も常日頃ついつい感動というものを忘れております。例えば今日のように雨の降った後の景色を見て、緑が綺麗だと感動出来るわけですが、なかなか意識をしていないとサラッと見過ごしてしまう感動が日常には沢山あると思います。
次の1日10回笑うという事は、笑う事はおなかの筋肉も使いますし非常にいい事です。
1日に100の深呼吸ですが、深呼吸は仏教でいえば座禅の一番要な呼吸法になりますから、この深呼吸を100回するというのは理にかなった事でこちらも素晴らしい事だと思います。
1日に1000の字を書くという事は、こうしますと非常に頭を鍛えられるそうです。
10000歩を歩くというのは足が悪くて難しい方もいらっしゃると思いますが、この『1』という数字を常に頭に入れておけば、私のように元気でいられるよと教えてくださいました。

敬老観音様は、山の高い所に立って我々をずっと見守ってくださっております。
逆に我々は、観音様を拝む時は仰ぐような形になってしまいますので、
どうしてもこの様に観音様は高い所から。私たちは低い所からという関係になってしまいますが、ここにおられる敬老観音様がたまたま高い所におられるだけで、
我々には自分の気がつかない所に観音様が沢山おられます。
先ほどの観音経というお経の中でも観音様は33のお姿に変身して我々の前に現れてくれるという事になっていますから、我々の目にはこれが観音様と分からないかもしれませんが、観音様は必ず我々と同じ目線でおられるという事ですね。
その観音様が近くにおられるという気持ちで我々が暮らしていくことで、実は観音様の大慈大悲のお力が頂けるという事になっているんじゃないかと思います。

それでは、先ほどお話した健康の秘訣を是非心がけて頂きます様お願い致しまして、今日の敬老観音様秋の大祭の法要のお話とさせて頂きます。

今日はありがとうございました。