2020年 2月の法話
『祈りの力』
今日は皆様の読経の声が私の背中を押しているような感じがしまして、なんだか応援されているような気が致しました。
皆さんご存知のように、2月15日はお釈迦様の亡くなられた日です。お釈迦様は、人が尊い人かそうでないかは、その人の行いによると言っています。行いが良い人は尊い人。これは仏教の基本になっておりまして、「悪事は己に向かえ 好事を他に与えて 己を忘れて 他を利するは 慈悲の極みなり」という言葉が残っております。
自分のことは二の次にして、まず他の人のために行動しようという事です。仏教で言う慈悲の精神になるわけですが、これを現代社会に置き換えてみるとどうなるか。
今、新型コロナウィルスが蔓延しております。こういう病気が一度出ると、人の心が変わる場合があります。最近ニュースで、ある学校の先生が新型コロナウィルスに感染した事で、その学校のPTAや生徒の父兄達が学校や先生を強く批判しているという事を見ました。
お釈迦様は、色々な功徳の中で病気の人を癒す事ほど尊いことはありませんと言っております。それに対して、病気にかかった人を攻撃するような事は尊くない行いになりますし、やはり我々は仏様の前にあってはみな同じ立場です。これは貫いて行かなければならないのではないかなと思います。
皆様が観音様をお参りし、一つになって一所懸命お経を読まれる事は、観音様の力にも繋がります。その力も使って観音様は広く私たちにも手を差し伸べてくださいますので、今日のようにお経を読む事は大きな力の元になっているという事をどうか忘れないでください。
そんなことを、今日皆様の読経の声に背中を押されて感じた次第であります。
まだまだ大変な時は続くでしょうが、季節もいよいよ春になってまいります。春は体調を崩しやすい時期でもありますので、一つお大事にされていただいて、元気に春をお迎え下さい。
以上をもちまして、2月の月例祭の法要を終わりにさせていただきます。