『色々あってもまた無事に』
皆さん本日も納めの観音様に大勢お越しいただきまして、誠にありがとうございます。
この1年が皆様も私も無事に過ごせて良かったという感謝の気持ちと同時に、また来る新しい年も良い年としてお迎えしたいという願いを込めて、本日は護摩供養をさせて頂きました。
この護摩の火は、人間の心の良い所も悪い所も全て炎の形で観音様にお届けします。今正面のお護摩の火をご覧頂いているかと思いますが、お護摩の火は一瞬たりとも同じ形はございません。千変万化常に変化しております。これは我々の心も同じです。一つの事を一生懸命考えようとしても、色々な事が頭の中には湧いて来ます。
よく座禅をする時に心を空にしろと言われますが、「空にしよう」、「空にしよう」と考えるほど「今日のおかずはなんだろうか?」等色々な思いが湧いて来てしまいます。これが人間の心というものです。
さらに我々は常に自分が正しいと思いがちです。でもそれは所謂、自我でございます。その自我を炎の中に投じます。すると自分の中の自我が消えて、清しい所が残ります。これがお護摩の功徳です。
今、お護摩の煙が堂内を充満して皆様を包んでおります。この煙が皆様を清めている最中です。
この護摩の火というのは実は観音様へのお供え物です。火の中には護摩木以外にも色々なお供えものが入っていて、それらは火として煙として天に昇っていきます。そして観音様の元に届いていきます。
今日は寒い日ではありましたが、ご供養が無事に出来て1年を締めくくる事が出来ました。また来年も元気にお会い出来ます事をお祈り申し上げて、法要を終わりにさせて頂きます。
本日もありがとうございました。