2024年 12月の法話

『新しい年を迎える』

今日はお護摩の火が燃え盛りまして、天に届くような勢いでございました。必ずや皆様のお気持ちは観音様に届いていると思います。

毎年のことですが年が改まりますと、大体の日本人は神社仏閣へ初詣に行きます。よく申し上げるのですが神社仏閣にお参りした時に一番目の前にあるものは何ですかと聞きますと、お賽銭箱と皆さん言われます。その通りでございます。では何故お賽銭箱を一番前に置くかと言いますと、まずは皆さんに布施の気持ちを持っていただくためです。自分から貰うのではなく、まずは自分から差し上げるという布施の気持ちを持ってもらうために一番前にお賽銭箱がございます。まずはがま口を開けて、中には細かいお金を全てバラバラとあげる人もいるのですがあまり嬉しくありませんので、できましたらコインに気持ちを込めて収めていただきたいと思います。

その次にじゃらじゃらじゃらと鈴を鳴らします。これはこれからお参りしますよという合図になります。それが終わりましたら、お寺だったら手を合わせて合唱、神社でしたら2拍手2礼等いろいろとあります。そして全部が終わったら、帰りますよという合図でまた鈴を鳴らします。

このように初詣をやってもらえば良いのですが、中には明治神宮や成田山のように多くの人がお参りにくるところは丁寧にやっていると、とても終わりませんのでそういうところは略してもいいのかなと思います。
お正月というのは正月様という神様を迎えるので正月と言います。年神様とも言われます。まずは年神様を迎えまして、その年神様と一年新しい年を迎えられたことを一緒に喜ぶというのがお正月でございます。

このように日本には初詣をする習慣になっていますが、その気持ちを本当は1年間保ってもらえるのが一番宜しいわけなので、お正月を過ぎたらそれでお終いということではなく、やはり1日1日その気持ちを持っていただくことが大事になってきます。この観音様も1月23日が初詣ということになりますので、終わった後も月例祭で観音様にまた参りましょうとお参りいただければありがたいなと思います。

今年一年いろいろあったかもしれませんが、何とかここまで無事にやってこれたということを観音様に深くお礼を申し、また来る年が良い年であるように、またいろんな自分のお願いが届く様に祈っていただきまして、令和7年が必ず良い年になりますよう祈念申し上げまして、終いの観音様の法要を終わりにさせていただきます。今年一年誠に有難うございました。

以上を持ちまして、12月の法要を終わりにさせていただきます。