2019年 7月の法話

『祈りの力』

一昨年私たちはローマ法王の元を訪れ、日本にお越しいただけるようにお願いに行ってきました。
なぜローマ法王に日本に来ていただきたいかと言いますと、実は今から32年前にカトリックのローマ法王の指導の元で、せめて世界中の宗教者だけは争いをしないで平和になるように一緒にお祈りをしましょう。という事が提唱されまして、イタリアのアッシジという古い都に、世界の宗教者が世界で初めて一堂に集まるという平和の祈りが行われました。そこでは、イスラム教、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教など、いろいろな宗教者が集まって一緒に平和の祈りをしました。それからずっと続いてきまして、一昨年が30周年になりました。実はその第2回目は日本の比叡山で開かれたのですが、その後比叡山では独自に平和の祈りを始めました。その比叡山の平和の祈りが去年30周年を迎えるという事で、ローマ法王にも同席をお願いに伺ったわけです。
結果比叡山の平和の祈りの30周年にはお越しいただけませんでしたが、今年は日本にお越しいただく事になって広島などを訪問されると思いますので、願わくは比叡山に立ち寄っていただけると嬉しいなと考えております。

世界には様々な宗教がございますが、その教えはつまるところ目的は一つしかありません。それは、みんなが平和で幸せになるようにと。これしかありません。それが宗教の祈りなのです。ですが、なかなか現代の世の中そうはいかずに、あちらこちらで色々な事がございます。でも我々にできる事はせめて祈る事ではないのかなと思うわけです。これはよくよく世界平和でなくても、皆様の身の回りの事でもそうだと思います。
色々な想いがありますが、そういう中で中には叶うもの、叶わないものと色々ございます。でも叶う、叶わないはあくまでも結果で、大切なのはまず祈るという事です。そのために我々は月例祭をおこなって敬老観音様に祈りを捧げております。 祈りと一言に言っても、例えば膝が痛いのが治って欲しい。病気が治ってほしいというような事も祈りになりますが、こうしてお経をあげる事も一つの祈りになります。そういう事で我々は、まず観音様に手を合わせ、観音様に祈る。これを続ける事によって自然と観音様のお力が伝わってくる。その中で時として、あーよかったな。観音様のおかげだなという気持ちが湧いてくる。こういう気持ちがいわば観音様のご利益という事になります。
今日のように暑く足元も悪い日に皆様がこうして月例祭に集まれるのも観音様のご利益だなと深く感謝しております。そんな事をお話させていただいて、7月の月例祭の法要を終わりにさせていただきます。