2022年 2月の法話

『菩薩の道』

テレビや新聞のニュースでウクライナという国の近くへロシア軍が集結して、今にも戦争が始まるのではないかというような状況になっております。なんとか戦争が回避できればと切に思う次第です。

昔からその国を治める、またはリードする人間を王様という言い方をしていました。その王様と言われる中でも地位があって上手く国を治める人物を君子という言い方をしていました。その君子という表現を、例えばロシアの大統領などが理解して頂ければ非常にありがたいのですが、その言動を見ているとなかなか君子というイメージには結びついていないのが現実なところでございます。

この君子という言葉を仏教的な言い方に置き換えますと、菩薩という言葉になります。その菩薩といえば、正面におられる敬老観音様は観音菩薩です。そしてこの観音菩薩の菩薩という意味はどういう意味かと申しますと、まず自分は仏になることを目指しつつも、自分一人で仏になるのではなく、生きとし生けるものみんなと一緒に仏様になりましょうという誓いを立てておられます。ですから常に菩薩様は我々と一緒におられるわけなのです。

最初に申し上げました、いろんなリーダーの方も国民の支持を経てその立場にいる訳なのですが、地球は一つという考え方もありますように、自分の国一つだけがこの世界にあるのではなく、いろんな国があるのだということを常に頭に置いて頂ければありがたいなと思います。そういうことができれば、今お話をした菩薩のような考え方に繋がっていくのではないかと思う訳でございます。

あまり政治向けの話は私共あまり得意ではないのですが、ひょっとすると戦争になるかもしれないという危機感がある中で、やはり一言気になるものですから、君子あるいは菩薩の道というものをなんとか伝わることができればありがたいなと切に願いお話をさせて頂きました。

まだまだ寒い日が続き、そしてコロナも収まっておりません。厳しい中ではございますが、ご参加頂き有難うございました。春はすぐそこまで来ております。また桜の咲くのを楽しみに春を迎えたいと思います。

以上を持ちまして、2月の法要を終わりにさせていただきます。