2022年 10月の法話

『読経のお話』

今日は10月の爽やかな青空の下、観音様にお参り頂きまして誠に有難うございます。今日の天気のように皆さんの読経の声が、私の背中をどんどんどんどんと押し寄せておりました。素晴らしい読経を一緒にお唱えすることができまして有難うございます。

本日はこの読経に関してお話をします。仏様の教えの中には4つの功徳がございます。1つ目はお経を大切に思うという気持ちです。これを受持(じゅじ)と言います。2番目が読誦、お経を読むという意味です。3番目がげせつ、漢字で書くと解説(お経を理解)という意味です。4番目が書写、お写経です。これがお経の功徳になります。

恐らく皆さんも観音様に一生懸命お経をあげていますから、お経を大事にする受持の面では良いかと思います。今は読誦をやっております。その次の解説につきましては学校のように「こういう意味ですよ。」と教えていくのも1つの方法です。
もう一つの方法は読誦です。読書百遍義自ずから通ず、所謂同じ本でも100回繰り返して読めばその本の意味が分かってくると同様に、読誦はお唱えするとお経の意味が自然に体得できるという方法がございます。
お経が体得できることによりお経を写す、これが最高の功徳になります。そして写経にはただ字を書くだけでなく、お経を書くことにより所謂座禅の心境に至ることができるわけです。

なかなか写経まで行くことは大変なのですが、今皆さんは2番目の段階を一生懸命励んでおられます。後はこの一生懸命お唱えすることで自ずとお経の意味が分かってくる、分かってきた後は最後の段階のお写経に気持ちが行っていただければ完成ということになります。

我々は第二の段階ではございますが、まずは一生懸命お唱えをして仏様のお気持ちを体得していけますよう共々頑張っていきたいと思います。

以上を持ちまして、10月の法要を終わりにさせていただきます。