6月の法話
『心の依りどころ』--------------------------------

6月の6日に、被災地である石巻市の調査に行ってまいりました。
伺ったお寺ではお墓の墓石は残っているのですが、中の骨壺が流されてしまい、本堂も流されてしまっておりました。
ご住職に聞くと、その地域は住んではいけないという危険地域に設定されてしまったようで、住民の方達と他の地域に引っ越さなければならないそうです。

皆さん一生懸命復興作業を行っているのですが、なかなか前進出来ないのが現状です。
まして、今現在も避難している方。仮設住宅も整わない。行方不明者も全員は見つかっていない。
原発の収束の様子も見えず、この夏は暑さだけではなく大変な夏になるなと感じました。

やはり被災地の方の生の声を聞きますと、共通して感じた事は自分たちの心の依りどころがそれぞれあるようです。
だから、このような大変な状況の中でもなんとかやっていけるのではないかと感じました。

我々は普段の暮らしの中で一体自分は何を頼りに暮らしているのだろうか?
とあまりしみじみは考えません。
ですが、今日のように観音様にお詣りをしていますと、不思議な事に潜在意識の中では、我々の気持ちはどんどん観音様に寄り掛かっていっているのだと思います。
この事は恐らく自分では気がつかない事だと思いますが、日々このような姿勢でいる事で、いざ我々が本当に観音様のお力が必要になった時に、ピタッと観音様の気持ちが通じる時が来るのだと思います。
被災地の方も、お話を聞いていると仏様や神様という依りどころがあってなんとかやっていけると言っておりました。

これから暑い夏がはじまります。

節電も皆さんで協力しなければならないですが、あまり無理はしすぎないよう熱中症などにはお気をつけください。

それでは、これで6月の月例祭の法要を終わりにさせて頂きます。