8月の法話
『観音様の力を感じる』--------------------------------------

今日は、空気が澄んでいるせいかお経の声が良く響いた気が致します。暑い中ですが皆さん熱心にお経を読んで頂きありがとうございました。
さて、先日のニュースでは『処暑』暑さが収まるという事になっているようですが、一向にその気配が致しません。
でも、この暑い中でも表の観音様はしっかりと立って我々を見下ろしてくれていますので、観音様を思えば暑い暑いなどとも言っていられないかなと思います。

先ほど一緒にお唱えしたお経の中にも出てくるのですが、それを読むと観音様が色々な力を持っておられるという事がわかります。
力と言いましても、目に見えるものならこれが観音様の力だという事がわかるのですが、残念ながらレントゲンなどのX線と同じで見る事は出来ません。
見えないけれども観音様の力というのはドンドンドンドン出ております。その力を我々は受けているのですが、なかなかそれが観音様の力だという実感が生まれてこないのですね。

これは我々が悪いのではなくて、例えば我々は毎日空気を吸って生きておりますが、あえて空気を吸っているという事を感じないのと同じように、観音様の力も空気のように感じないのですね。
でも、この力は我々に燦々と降り注いでいるわけです。その結果この暑い中でも元気に過ごしていられると考える事も出来るのではないでしょうか。

観音様から色々なところで力をいただいている中で、『あっ!!これは観音様の力だ』と感じられた時の事を仏教の言葉では『感応道交』(かんのうどうこう)と言います。これは仏様と我々が心で交わる事が出来た状態を言います。 ですから、我々が真に観音様を実感出来た時に初めて観音様と一体になれる時が来るのですね。
これは必ず我々にいつか訪れます。
ただし、普段それが訪れなくても我々は観音様のお力を頂いて暮らしているという事は感じていてもらいたいと思います。
観音様と結ばれる時というのは、ある時は本当に困った時。あるいは辛い時、切羽詰まった時にそういう事が良く起こります。
逆を言えば、そのようにどうこうしなくても済む状態でいられる事が実はありがたい事なんだという事を感じて頂きたいと思います。

以上で8月の法要を終わらせていただきたいと思います。

どうも暑い中ありがとうございました。