4月の護摩供養の法話
『煙と共に天に上る願い』

今日は護摩供養という事で、皆さんご苦労様でした。この護摩の火、そして煙はどこ迄も高く上って参ります。その火や煙と共に皆さんの念や願い、そして想いが仏様の元に届けられました。今日はこうやって大勢がお参りに来てくれた事を喜んでか、観音様もとても清々しいお顔をしているように私には見えます。

本来、我々が祈る、願うという事はごく自然な気持ちです。『明日は晴れて欲しいな。』『膝の痛みが治って欲しい。』など色々な事を願い、祈ります。そしてその願いや祈りが観音様の目の前で護摩という形で天に届けられます。あの火の中には我々が生きて行くために必要な五穀を供養致します。その食べるものと一緒に我々の気持ちが込められるという事になります。
そしてその後は観音様が我々に必ずしるしを与えて下さいます。ただ、前から申し上げるように我々はなかなか目に頼って物事を判断しがちですから、目に見えないところでご利益が届いても分かりづらいという欠点はございます。しかし、必ず我々の元にご利益は届いています。

そして、もし皆さんの中で今日でも明日でも一週間後でも、『あっ今日いい事あったな』と感じたら、これは観音様のおかげとお考え頂ければ目に見えなくてもご利益を感じる事が出来ます。また、これが今日の護摩の功徳であります。この護摩は仏教でいいますと秘密の供養でございます。本来は人目につかない所でひっそりと行ったほうが宜しいのですが、まあしかし、秘密の供養も皆さんが参加して下さる事でより大きな供養となりますので、このように4月23日と12月18日の年2回だけ行わせて頂いております。今日は皆さんの念や願い、そして想いが無事仏様の元に届けられた事を喜びまして、本日の護摩供養を終わりにさせて頂きます。
ありがとうございました。