2022年 花祭りの法話

『一人ひとりの命』

本日は花祭りということで、ご一緒に御和讃をお唱えさせて頂きました。皆様も子供の頃、花祭りの経験があるのでないかなと思います。

お釈迦様が誕生した時のお話で、一番有名なエピソードがあります。お釈迦様は産まれたらすぐに7歩歩きその後、右の手で天を指し、左の手で地を指し、そこで言われた言葉が天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)仏は我一人なりと言われたそうなのです。これは、我々一人ひとりが皆仏様になるということをおっしゃっています。我々もこの世の中にあって自分はたった一人、同じ人間は二人もいません。このたった一人の貴重な我々も必ず仏になるのだということです。

しかし御釈迦様はそうは言ってくれたけれども、我々人間はいろいろな煩悩を持っていてなかなか仏になりにくい。したがって仏様は今度大きな手で我々全員を掬い上げてくださいます。昔の孫悟空の話で、いくら孫悟空が飛んでも御釈迦様の手のひらの中だという話がありますが、そのくらい仏様の願い想いは大きい。広大ということなります。そして必ず全ての人を救ってくださる。そういう因縁を持って、御釈迦様はこの世に今から約2500数十年前にインドにお産まれになられたという話でございます。

今ウクライナでは悲惨な戦争が行われていますが、人間一人ひとりの命は本当に大事なものなんだということを、なんとか世界中に伝えていけることを切に念じまして、4月8日御釈迦様の誕生日である花祭りの法要を終わりにさせていただきます。