2014年 6月の法話

『魂の繋がり』

ついこの間の出来事なんですが、私のお知り合いのご夫婦が5月にお二人とも亡くなられた事がありました。最初は3年前に奥様が脳内出血で倒れられて、その時ご主人は経営していた鉄工所を即座にやめて、それからは奥様の看病にかかりきでした。ところが、去年の暮れにご主人も看病疲れで倒れて寝たきりになってしまいました。ご夫婦には二人のお子さんがいたのですが、結局5月10日に奥様がお亡くなりになられまして、そのあとすぐ5月25日に今度はご主人が亡くなられてしまいました。あまりこういったケースはないのですが、お子さん達は最初奥さんが亡くなられた時に、ご主人にその事を伝えるかどうか悩んだらしいのですね。だけどもあれだけ看病してきたお父さんが自分の奥さんの亡くなった事を知らないのでは可哀想だという結論に達して、伝えたそうです。その時お父さんは、「あーよかった。自分が最後に残ってよかった」と安心され、その後ご主人は亡くなられました。

やはりどうも、我々人間、魂同士が呼び合うという事もあるのではないかなと思います。常日頃我々は魂という事に重きをおかないで、普段は日常生活の色々なものに気を取られてしまうのですけども、やはり人間最後1人になる時は魂しか残らないわけですね。
ですから、我々の魂はもっと大きな力を持っているのではないかなと思います。
魂の力を発揮させる為には、自分の力ではなく仏様、観音様の力も必要ではないかなと思います。我々が観音様に手を合わす。心を供える。それによって観音様が我々の魂に力を発揮させる為の力を与えてくれるのではないかと思います。違う言い方をすると信心という事になってしまうのですが、でもやはり信心というのは魂と仏様の結びつきじゃないかなと思います。
亡くなられた方のお話で恐縮でしたが、我々はやはり魂があってこそ生きているんだという事をお話させて頂いて6月の法要を終わりにさせて頂きます。