11月の法話
教養のある人とは。--------------------------------

今日は秋晴れのいい天気でございました。
つい先週ですが、2泊3日という短い時間ではありましたが天台宗の行事で中国に行ってまいりました。
上海の南の方にある寧波(ネイハ)という港町に行って来たのですが、そこは1200年前に比叡山を開かれた最澄さんが、中国へ留学をした時に最初に上陸した町だそうです。
そこに、この度上陸の記念の碑を作る事が決まりまして、その除幕式に行ってまいりました。

除幕式の御導師をされておられたのが、京都は大原の三千院のご住職様でございました。
来年の3月で満90歳だそうで、途中は車イスで移動されていましたが、大事なところはご自身の足で歩かれており、お経の声は張りがありまして、私共も大変力づけられました。

私も中国へ行くのは久しぶりだったのですが、以前の面影はほとんどなくその発展ぶりに目を見張りました。これは中国に限らず、隣の韓国もそうですね。

ちょうど今朝、NHKの8時30からのテレビを見ていましたら、韓国のゴルフの話題が出ていました。
韓国の選手が、なぜ日本の大会で優勝しているのかという事を特集していたのですが、とにかく日本の選手の10倍くらい練習をするらしいです。小学生の内からゴルフのプロが指導して練習しているらしいですね。

その番組内で日本のプロの方が言っていたのは、日本のゴルフは文武両道だそうです。

確かにその通りで、勝つだけでいいならば勝つためだけの技術力、精神力を磨けばいいのですが、ただ、我々がこの世の中でまず行きて行くために一番大事な事は、自分を大切にするという事だと思います。

自分を大切にするという事は、その人の周りの人も自分を大切にしていますから私も貴方も同じ立場、平等という事に繋がります。

このように相手を認める事が出来れば、威張ったりとか馬鹿にしたりする事がなくなるのではないかと思います。
この相手を認めるという事は、その人の教養に関わる事じゃないかと思うのですが、我々はよく、『教養がある』 『教養がない』という事を知識が豊富であるかどうかと思いがちですが、これは実は知識の量ではなく人をちゃんと認める事が出来るか、出来ないかという事じゃないかとしみじみ思います。

そして、その教養の高さに裏打ちされたものが、心の問題になってくるのではないかと思います。
心の問題とはその人が信じるものを持っている。これが教養の背景にありますとその人の人格が完成されていくのではないでしょうか。

これからも教養を減らさないように共に頑張っていきたいと思います。

以上で、11月の法要を終わりにさせて頂きます。