護摩の煙、火にあたりますと、我々が元気になれる。悪いところが癒される。
そしてひいては、我々の念や想いが観音様に伝わりますので、喉がつらいのは我慢して頂いて、この護摩の煙に包まれてお帰り頂ければありがたいと思います。
皆さんの目の前にある護摩の釜には、皆さんの念や想いが入っております。
それが、護摩の火で轟々と燃えて、そして火は言うまでもなく上に上っていきます。上というのは天上の世界、仏様の世界ですね。そちらに我々の念が煙と共に上っていきます。
このように、我々が仏様をご供養する時にまず皆さんが思い浮かべるのは、まず明かりを想い浮かべると思います。
その明かりである火と対になるものは、水でございます。
ですから、仏様には火と水。
それから香り、お香ですね。そして花です。
この4つがご供養の基本になります。
今、護摩の火が盛んに燃えておりますが、この火の形は一瞬たりとも同じ形をしておりません。
これは、言わば皆さんの気持ちの動きを表しております。
あたかも自分の気持ちは変わらないと我々は思っているのですが、実はその都度その都度微妙に心も体も変わっております。
この火をカメラで撮った時のように一瞬一瞬の形を良く見ると、実は色々な形に見えて来る訳なんですね。
良く見ていると、仏様の姿に変化して見えたり、あるいは恐ろしい形に見えたりと、見る人の心によってこの火が姿を変えるという事になっております。
従いまして、我々がこのお護摩の火を拝む時は、我々の気持ちを集中して、気持ちを浄化していく事によって、この火の形がさまざまな仏様の姿に変わっていきます。
諸仏・諸菩薩(しょぶつ・しょぼさつ)という言葉がございますが、その一瞬一瞬に仏様の姿が現れるという事は、身の回りに多くの仏様が集まって、我々を見守っていて下さるという事でございます。
今日は皆さんの想いが、このお護摩の火によって観音様に無事とどけられました。そして、皆さんの心のなかに、仏様が随分入って行かれたのではないかと思います
皆さんのお顔や目つきが、お護摩の前と終った後では違って見えますね。
なんと言いましょうか、昔からの言葉を使えば『神妙』な顔になっておられます。これは実に素晴らしいことです。
今日は、無事に観音様の月例祭りでお護摩を行う事が出来ました。
皆様の念が必ず観音様に届きます事をご報告させて頂きまして、月例祭の護摩供養を終わりにさせて頂きます。
ありがとうございました。