2019年 秋の大祭の法話
『反省』
本日の法要の中に、「六根段(ろっこんだん)」とあります。六根段とは、眼・耳・鼻・口・身・心のことを言います。
「貪愛諸塵以愛塵故(たんないしょうちんいあいちんこ)」
見る目が一番曇りやすいのは、分かりやすい例えで言うと、男性が女性を見るときですね。見た目で判断してしまうのはよくありません。見た目ではなく心を見なさい。
私たちは自分が持っている感覚機能で騙されてしまうことがあります。
例えば耳。同じ音楽を聞いても、素敵な音色だなと感じる人もいれば、騒がしいと感じる人もいます。
私たちは感覚で成り立っているのですが、その感覚が全てではありません。その奥に真実があるということに目を向けてほしいです。それにはまず、普段感じていることを繰り返し見直し反省をしてみましょう。そこから真実の世界が始まります。
「清淨懺悔己礼三宝(せいせいさんかいれいさんぽう)」
せいせいとはしょうじょう清らかに。さんかいとはキリスト教で言う懺悔になります。心を反省し清からにすることによって三宝(仏・法・僧)に深く礼をいたしましょう。それによって私たちは仏の世界に近づくことができます。
日々様々な事が起きていますが、自分の気持ちに軸を持ち、ぶれないようにすることが大事だと思います。ぶれないようにするためには自分の気持ちをしっかり持つことです。そのためには神仏に対する気持ちをぶらさないことです。神仏に頼る気持ちさえあれば周りの世界に変化があっても自分の気持ちがぶれることはありません。
令和になって初めての秋の大祭ということで、反省についてお話ししました。
平和と感謝の心を持つことはとても大事ですので、その気持ちを忘れずにしてください。
以上で秋の大祭の法話を終わりにさせていただきます。