2021年 花祭りの法話

『花祭り』

4月8日がお釈迦様のお誕生日ということになります。
日本では花祭りと言うと何のことですかという方も多く、花祭りがどういう事なのか、これからもっと世の中に訴えていきたいなと思います。それについては我々がお釈迦様のことをまず知っておくということが第一かなと思いまして、花祭りの和讃に沿ってお話をさせて頂きたいと思います。

和讃の中に「卯月八日(うずきようか)の朝方に」とあります。これは4月8日の朝のことです。「ルンビニ園にて遊ばして太子誕生」お釈迦様が誕生されたということになります。
その後お釈迦様の伝説でもありますが、お釈迦様がオギャーと産まれた後すぐに7歩歩いたと言います。歩いた後、右の手で天を指し左の手で地を指して言った言葉が【天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)】という言葉です。天が上にも下にも仏は我一人と言っておられます。この言葉が有名な言葉になります。今では唯我独尊というと、独りよがりという意味に取られてしまいますが、独りよがりではなく仏は唯一お釈迦様であるということを言っておられます。
「甘露の雨を注ぎつつ」とありますが、これはお釈迦様が誕生して今では甘露の雨が甘茶になるわけです。甘茶を小さいお釈迦様にかけてお祝いをしました。後、お釈迦様は小さい時に仙人のお弟子になりましてそこで厳しい修行をされます。
「時は三十路の年の冬、師走八日の暁に明星出でし頃合いに豁燃大悟(かつねんたいご)したまえり」30歳の冬12月8日お釈迦様が座禅をしておられ、明けの明星を眺めていて悟りを開いた瞬間でございます。最初にお釈迦様がお説法されたのはインドの鹿野園(ろくやおん)でございました。鹿野園で最初にお説法をしてから沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の下とよく言いますが、40年の間一生懸命教えを説いてくださり、亡くなったのは沙羅双樹の下で亡くなったといわれております。
「後先二仏の中間に」とあります。お釈迦様が亡くなった後、次の仏様が出現するわけです。これが弥勒菩薩という仏様です。その間が二仏の中間ということになります。中間に生まれた我々は、生まれて仏に会わざりきということで仏に会うことがなかなかできない。できないけれども、「仏の遺教経(ゆいきょうぎょう)の今尚世間に止まれば」仏様は亡くなったけれども、お釈迦様の残してくださった教えが我々には残っている。これをしっかりと大事にすることが信仰になるということになります。簡単にではありますが、和賛を解説させて頂きました。

以上で、花祭りの法話を終わりにさせて頂きます。