2015年 7月の法話

4つの功徳

ここのところ連日猛暑が続いておりますが、今日も皆様とお経を唱えておりましたら、熱さのせいか私の体の老化のせいかわかりませんが、息が短くなっているのを実感しました。今日一緒にお唱えさせて頂いた法華経というお経の中に、繰り返しよく出てくる4つの言葉があります。
それは、受持(じゅじ)、読誦(どくじゅ)、解説(げせつ)、書写(しょしゃ) という言葉です。受持というのは、お経を大切にする心。次の読誦はお経を読むという事。解説は、お経を理解し人に伝えるという事。最後の書写はお経を写すという事です。この4つが実に我々にとって功徳があるとされております。
最初のお経を大事にする気持ちだけでも功徳がありますが、お経を読む事でさらに功徳があります。それに加え3番目のお経を理解しそれを人に伝えていく事はさらにさらに功徳があります。そして最後の功徳は写経です。お経を写すという事はこの世に残すという事ですから、これがとても大切なのですね。
現代は人生90年といっても宜しいでしょうか。その中で一体何を残していけるのだろうか。勿論色々なものを残していけると思いますが、観音様や仏様の為に何を残していけるだろうかと考えた場合に、形として残せるものはお写経です。ただ、形になるものだけが全てではありません。それは我々の想いを伝えていくことも私たちが観音様や仏様の為に出来る事の一つです。これもまた尊い事であります。
皆様がこうやって月例際にお集まり頂いて心を一つにして一心不乱にお経をお唱えする。こういう事が、ここにおられない方々にも必ず伝わっていきます。というのは敬老観音では毎月23日にお経を唱えている事を知っている人が沢山いるわけです。その知っている人は今日も山の上でお経を読んでいるのだなと思ってくださる。そのように我々の想いというのは必ず伝わっていきます。
ですから、私たちの出来る事の一つとしても、月に1度集まってお経を読むというこの行いは世の中の人に徐々に伝えていく為にとても大切な事だと思っております。どうぞこれからも宜しくお願い致します。

以上で7月の月例際の法要を終わりにさせていただきます。

ありがとうございました。