2021年 6月の法話

『過去現在未来の仏様』

梅雨の最中ではございますが、今日はなんとか雨が止んでくれて助かりました。 これで6月、来月は7月。7月になりますとお盆がきます。地方では8月がお盆という所もありますが、本日はお盆の前に過去や現在そして未来の仏様についてお話をさせていただきます。

我々はよく現在・過去・未来という言葉を使いますが、実は現在・過去・未来にはそれぞれの仏様がおられます。例えば、現在の仏様は薬師如来様です。未来の仏様は阿弥陀様。過去の仏様がお釈迦様です。実はこの3人の仏様にはそれぞれお付きの方もいらっしゃいます。阿弥陀様ですと、両脇に観音様・勢至様。お釈迦様ですと両脇に文殊菩薩・普賢菩薩。現在の薬師如来様は、日光菩薩・月光菩薩が両脇におられます。
順番にご説明しますと、まず過去の仏様・お釈迦様は北インドに生まれて仏教を開かれ、そして亡くなられました。現在の仏様・薬師如来様は、いわゆる現世利益(げんせりやく)。我々が生きている上で必要とする願いや望みをくださいます。よく昔から薬師如来様は眼病・目の病に効く、あるいは病気の神様と言われています。ここ蔵山寺の薬師如来様はお持ちではないのですが、一般的に薬壺(やっこ)を持っていらっしゃることが多いです。我々の病気を取り除いてくれる等、生きている我々にとっては一番頼りになる仏様です。未来の阿弥陀如来様は我々が亡くなった後に行くであろう極楽浄土、安楽の世界の仏様です。またそれだけではなくそれぞれの世界に全部で1000人の仏様がいらっしゃいます。過去千仏・現在千仏・未来千仏、全ての仏様が現在過去未来に分かれています。

つまり我々は過去現在未来のそれぞれの仏様、全部合わせて3000の仏様に見守られているということになります。そのような中で実は我々も過去現在未来があるわけです。そうなりますと我々の過去は何だという疑問が浮かびますが、過去は我々のご先祖様・現在は我々自身。未来は我々の残す子や孫、子孫ということになります。これが一本で繋がっていくにはどうしたらいいか、それは仏様に対する気持ちや心を持ち続け、同じこと・一つのことを継続していくことが一番大切です。こうしてまた月例祭で皆様と一緒に読経をさせて頂きました。実はこのような読経も仏様への心や気持ちの証ということになります。したがってこの読経が仏様の心に届くことによって、観音様から逆に我々にご利益を頂いたり、或いは我々の功徳が子や孫に回っていくことに繋がります。

我々は過去現在未来の中で生き、仏様に対する気持ちを維持することが過去のご先祖様や未来の子孫に繋がっていくことを本日お話しさせていただきました。

以上を持ちまして、6月の月例祭の法要を終わりにさせていただきます。