2018年 初詣の法話

『新年の決意表明』

 新年明けましておめでとうございます。
皆さんの地域ではどうでしたでしょうか。私がいる群馬県では非常に穏やかな元日で、今年は良い1年になるかなと予感させるようなお正月でした。ところが、昨日は雪が降りました。雪で思い出すのは、4年前の大雪の時です。あの時はガレージが雪で潰れ、車も潰れてしまうということがありました。そこで今回は車をガレージの外に出しておいたのですが、朝一番で見てみたら約20cmの積雪だったのでこれなら、雪かきの必要もなく行けると思い、今日ここまで車を運転してきました。

毎年年の初めにお寺では修正会(しゅしょうえ)を行います。奈良の東大寺で旧正月に行っているお水取りも修正会です。私たちのお寺でも元日の朝に修正会を行っております。ところが、朝早くお参りに来る方もいるので私が修正会を行っている最中にお参りをして帰っていく方もいらっしゃいます。修正会は1年間皆さんが無事に健やかに暮らせるように。そして、世界の平和を祈って行う行事です。皆さんも年が明けると今年はこういう1年にしたいなとか色々思うところがあると思います。その思うところをお正月に表明してください。人前で言うわけではなく、心の中で、あるいは神仏に向かって表明してみてください。人間は人に言ったからには言いっぱなしのままでは済まなくなるので、表明することが大事です。

 また、今日はいつもお唱えしているお経の中の「三礼(さんらい)」についてお話します。
私が段に上がる前に「一心頂礼」とお唱えし、皆さん一緒に「十方法界常住三宝(じっぽうほうかいじょうじゅうさんぽう)」とお唱えしていただいています。一心頂礼とは、両膝、両肘、おでこを畳につけ、手を浮かし、その浮いた両手の上に仏様に来て頂くのを想像しながらお唱えすることです。三宝というのは仏法僧。仏様の教え、あるいはお経のことです。この仏法僧に対して心から頂礼を致します。ということを、お経を読む一番先にお唱えします。先ほど言いましたように、これからこれを行いますという決意表明のようなものです。これを三遍繰り返します。
仏教はインドから伝わってきておりますが、物事を人に伝えるには三遍繰り返しなさいと昔から言われていたようです。インドに行って、インドの人と一緒に法要をしますと、我々日本人の法要は短く、インドの人は長いんですね。言葉が分からないので聞いていても理解出来ず、なんでそんなに長いのかと思ったら、インドの人は同じことを三遍繰り返していたのです。また、中国には三顧の礼という言葉があります。やはり三遍繰り返すのは大事ということですね。毎月、月例祭の前にお唱えするのは心から帰依致しますという気持ちで決意表明していただくのが「三礼」になります。
今日は「三礼」についてでしたが、1つ1つ追ってお話していこうと思います。

今の世の中、色々な情報が乱れ入っております。いかに人を騙して、いい思いをしようか鵜の目鷹の目で考えている輩がたくさんおります。皆さんには観音様がいるので大丈夫だとは思いますが、うまい話にはあまり乗らないように。そしてなにかあったときは誰かに相談する事を心がけて、良い1年を過ごしてください。
以上で初詣の法要を終わりにさせて頂きます。