2025年 9月の法話

『日常に生かす菩薩の教え』

暑い中、秋の大祭にお参りいただき、ありがとうございます。法要の解説を少しお話ししたいと思います。

まず、1枚目をご覧ください。我は願う、仏様をこれから供養いたします。とあります。本来ならば、ここで花びらをまきます。
次に太陽とあります。これは礼拝をしながらお経を唱えることを指します。今回は椅子に座っての参加でしたので、礼拝は最後に行い、途中は割愛しております。
次の良法久住とは、お釈迦さまの教えが久しくこの地に留まるよう願うことです。
続いて過去諸仏如来では、全ての亡くなられた方がご成仏されますよう祈ります。
さらに天界安穏・梵輪ご楽は、世の中、地球、すべての人が豊かでありますようにとの祈りです。
伽藍安穏・弘昌能は、仏様のお住まいが無事であること、そして正しい教えが広まることを願う意味です。
最後に、観音様、どうぞお聞き取りくださいませ、と締めくくります。

右手におられるのが敬老観音様、通称「観音菩薩」です。「菩薩」という名称には大きな意味があります。 釈迦如来や阿弥陀如来など「如来」と呼ばれる仏様も多いですが、観音菩薩や地蔵菩薩のように「菩薩」と呼ばれる仏様もたくさんいらっしゃいます。

この菩薩のお心は、「上求菩提下化衆生(じょうぐぼだいげけしゅじょう)」という文字に表れています。
自分自身も仏様になれるよう精進し、すべての人を救い上げることを目指すという意味です。
自分だけが良い思いをするのではなく、皆と一緒に良い思いを分かち合う――まさに、みんなでご飯を食べればより美味しいという感覚に似ています。
こうした心がけが、世の中を穏やかで平和にする基本になります。

今も世界では、難民や飢餓、栄養失調で亡くなる方々がいます。我々はその現実を目にしていますが、何ができるでしょうか。募金などの支援は一つの方法ですが、まず心を寄せること、同じ地球に生きる者として思いを馳せることが、菩薩様の心に近づく道だと思います。
その心を持つことで、問題は必ず解決に向かうはずです。

本日も、地球の恵まれない方々のために、皆で共に頑張ろうという思いを胸に、秋の大祭を進めさせていただきました。
最後に、菩薩の生き方は決して難しいものではありません。皆で仲良く、助け合いながら生きていくことを心がけてまいりましょう。

以上を持ちまして、9月の法要を終わりにさせていただきます。