2025年 12月の法話
『護摩の火に託す感謝と祈り』みなさんもご覧になられましたように、本日はお護摩の火が順調に燃え上がりました。皆様それぞれのお願いごと、そして今年一年への感謝の思いが、観音様へと届いたのではないかと思います。
このお護摩の火の煙にあたると、一年風邪をひかないとも言われております。
この護摩供養というのは、火の供養でございます。火はまっすぐ天に向かって立ち上り、煙もまた天へと昇っていきます。その先には仏様の世界があり、煙はそこへと辿り着くと考えられています。煙が立ち昇るとき、皆さんのお願いごとを書いたお札も一斉に昇り、仏様へと届けられるというわけです。
仏教には、お念仏や南無妙法蓮華経、坐禅など、さまざまな教えがありますが、この護摩供養は密教(秘密の教え)に属する法要です。その密教の中でも、最も重要で尊い法要が、この護摩供養であると言われています。
このときの護摩の火は、観音様がその上におられるとイメージしていただくとよいでしょう。観音様は仏様ですから、火の上におられても熱くはありません。
一方で、皆さんの願いは火のように熱く、切実なものです。その熱い思いを、観音様がすべて受け止めてくださる、それが護摩供養でございます
今年一年を振り返りますと、皆さんそれぞれにさまざまな出来事があったことと思います。
こうして無事に一年を越すことができるのも、観音様のおかげであると、感謝の思いを運ぶこと。それこそが、観音様にとって何よりの喜びではないでしょうか。
本日、無事に年納めの御礼のお護摩を修めることができ、観音様もさぞお喜びのことと思います。
どうぞ皆さん、来たる令和八年が良い年となりますよう、しっかりとお護摩の火を焚かせていただきました。安心して新年をお迎えいただければと存じます。
以上を持ちまして、12月の法要を終わりにさせていただきます。







