2026年 4月の法話

『お釈迦さまのご誕生と大事の因縁』

お釈迦さまも、美味しい甘茶をかけていただいて、喜んでおられることと思います。

まず、和讃の二行目に「大事の因縁あるにより」とありますが、この「大事」というのは、そのまま「とても大切なこと」という意味です。

お釈迦さまが、なぜこの世に、実際に実在の人物としてお生まれになったのか――それがこの「大事の因縁」です。

これは、我々すべての人に仏の智慧を悟らせるためという、大きな目的があったということです。

そのために、お釈迦さまは人間の姿をもってお生まれになられました。

やはり、直接お釈迦さまのお話を聞くことができれば、現実味があり、感動も大きいわけです。

そのために、同じ人間の姿でこの世に現れたと言われています。

次のページにいきますと、
「三界一切を救わんとて、よに生まれ出でたまえり」とあります。

これは、お釈迦さまがお生まれになったときの伝説です。

お母様である摩耶夫人(まやぶにん)のもとに生まれ、すぐに七歩歩いたと言われています。

そして、右手で天を指し、左手で地を指して、
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)」
とおっしゃいました。

これは、「この世でただ一人尊い存在である」という意味であり、すべての命が尊いという教えでもあります。

また、「十二月八日の暁に、発念大悟したまわり」とあります。

これは寒い時期、明け方に座禅をしておられたとき、明けの明星をご覧になり、悟りを開かれたということを表しています。

したがいまして、お釈迦さまには大切な日が三つあります。

一つは、今日のご誕生の日(4月8日)
一つは、2月15日のご入滅の日
そしてもう一つが、12月8日のご成道の日です。

これらはお釈迦さまにとって代表的な大切な日ですので、ぜひ皆さんにも覚えておいていただきたいと思います。

また、「ここを今なお世間にとどまれば、これをしるべに修行して」とあります。

これは、お釈迦さまが残された教えが、今もなおこの世に伝わっているということです。

例えば、南無阿弥陀仏のお念仏や、座禅など、さまざまな教えがあります。

それらの教えをよりどころとして、我々もお釈迦さまの道を目指していきましょう、という意味です。

ただし、「修行」といっても難しいことではありません。

お釈迦さまを偲び、その教えに心を向けること、それが大切です。

私たちは毎月、観音経をお唱えしておりますが、これも立派な修行です。

そうしていく中で、仏さまのお心に触れ、仏に会うということにつながっていくのです。

以上を持ちまして、4月・花祭りの法要を終わりにさせていただきます。